ブランドヒストリー
温かく心地よい。ほどよい距離感と自立・自由のあるジェンダーフリーな新しい家族のカタチをコンセプトにした背景をお話しさせてください。
ミニマリズム的思考
私は幼いころから「モノではなく経験や体験を大切に」という考え方の両親に育てられました。自分の持ち物が少ないと、モノを管理する時間が少なくなり、モノを使う時間が減り、結果として自由な時間が増えました。時間がたくさんできたので「自分はどうありたいのか」「何に興味があるのか」を考え、それらをすぐに行動に移して試してみる、という幼少期を過ごしてきました。
経験や体験に使う「時間」があることが当たり前になると、モノの数はさらに厳選され、持ち物は万人受けする定番品とは少し違った「誰になんと言われようと自分軸のあるこだわり」を重視するようになりました。
母親だけが家事をしている現実
私の母はフルタイム勤務の公務員でしたが、家の家事はほぼ一人で担っていました。
当時は、フルタイムで働く女性が少なかったということもあり、女性が仕事をしていても「女が家事をする」という感覚が常識だという風潮がありました。実際、母が父に「家事を手伝って!」と言うことはありませんでした。
また、その不平等さに関して母は、私や弟に不満を言うこともありませんでしたが、毎日かなり辛そうに見えました。家族間
で家事負担に不平等さがあること、自由時間がない人がいることが、私の心にモヤモヤと残り、幼いながらも「自分が将来だれかと一緒になるときは、家事と自由時間の平等さを実現してくれるパートナーと一緒になりたい」と思っていました。
大学卒業後、実家を出て愛知で社会人として一人暮らしを始めました。いよいよ結婚を意識するようになったころ、私が望んでいた「家族間で平等さを実現してくれる家族」はまわりに一人もおらず、多くの家庭のお母さんが私の母のように不平等さを飲み込んで過ごしていました。
時間を自分のために使う
私は「この不平等さを変えたい!」と強く思うようになり、家事の見直しを始めました。
日本のお母さんが毎日家事を行う時間は、平均4時間54分(2017年総務省調査)
家事の仕組みを作ってモノを減らすことで、これを2時間30分まで減少させました。
具体的には、すべての家事をストップウォッチで測定し、1秒単位で時短することを模索し、家事をルール化したのです。
さらに、その最低限必要な家事を家族みんなでシェアすることで、自由な時間を確保し、家事の平等と自立を目指した暮らしが始まりました。
夫婦と2人の子供との4人暮らしまではこれでうまく回っていました。
ところが、3人目の子供が産まれた後から、さすがに私の自由時間がほぼ取れず、イライラするようになってきたのです。
今までの暮らしをキープするために、産後すぐから仕事を再開。毎日の睡眠時間は2時間ほど。新生児に授乳しようにも睡眠が足りてないのか母乳が止まってしまいました。
家族の食事を夫に任せるとファーストフードやコンビニで買ってくるものばかりに。
「買ってきてくれるだけでありがたい」と最初は理解していたのですが、次第に「なぜ子供たちの栄養を考えないのか?」と思うようになりイライラ。また私が代わりにやるように。そうなると夫からは「やってくれるならどうぞ」と家事のウェイトが私に重くのしかかってきてしまったのです。
そんな時に、会社員時代に上司から何度も言われた「人を責めるな仕組みを責めよ」という言葉が頭をよぎりました。
うまくいかない時は、誰かが悪いのではなく、仕組みが合っていないから。
その仕組みを考え直せば、うまくものごとがまわっていく、ということ。
改めて考えてみると、例えば。
・子供たちに毎日「靴を揃えて!」と声をかける
・行ってもやらないので、それを靴箱に戻す
という家事があったとします。この家事。そもそも「靴を脱ぐスタイルの家」だから、こういう家事が発生するのではないでしょうか。海外のように靴を履いたままでOKだったら。。と。
水回りの掃除が大変なのに、家の中でいくつも水回りが発生している。
もう散々家の中の仕組みを作ってルール化したつもりでいたのですが、根本の家全体から考えたい!と思うようになりました。
これから家を建てられる方に、家族の平等さと自立が自然と身につく「しくみ」を意識した家づくりをしてもらうことで、ジェンダーフリーな新しい家族のカタチが実現できるのではないか?と考えたのです。
現状の家づくりに思うこと
いざ家全体を俯瞰してみると、今の家づくりには、根本的な不平等や不合理が多く、私が求めている平等さと自立が難しいと感じるシーンが出てきました。
現状の家づくりには、「あたりまえ」がいくつもあります。
・子供部屋は寝室より小さい
・まだ生まれてもいない子供専用の部屋がある
・キッチン・洗面等水回りはお母さん主導で家づくりをする
・収納に関してもお母さん主導
・書斎やリビング、ガレージはお父さん主導
・リビングにはテレビがある
・寝る場所は寝室
・寝室の横に夫婦のウォークインクローゼットがある
これらの「あたりまえ」を一旦フラットな状態に戻し、ジェンダーや年齢で優劣をつけるのではなく、その時々に合わせて住む人皆が納得する空間を使い方を検討することで、住む人の平等性と自立を自然と促せるようになるのは?と考えるようになりました。